
ホームページを作る前に、デザインの色やトップ画像を決めたくなる気持ちはよく分かります。ただ、先に考えたいのは「誰が、どんな用事で訪れ、どのページを見れば相談できるのか」という道筋です。僕はこの道筋を、家を建てる前の間取り図に似たホームページの設計図だと考えています。
久留米市の小さなお店であれば、最初から何十ページも作る必要はありません。TOP、サービス、料金、アクセス、問い合わせといった最低限のページを整理し、必要な記事を少しずつ増やす方法が現実的です。この記事では、紙一枚から始める設計図の作り方を、架空の店舗を例に説明します。
ホームページの設計図は何のために作る?
設計図は見た目の配置だけを決めるものではありません。「お店の強み」「お客様が気にすること」「その答えを置く場所」「問い合わせまでの導線」をまとめた地図のようなものです。これがないと、同じ説明を複数のページに書いたり、料金ページはあるのに予約方法が見つからなかったりします。
例えば整体院のサイトに「肩こり」「腰痛」「骨盤」「姿勢」の記事を大量に作っても、どこに予約ボタンがあるか分からなければ利用者は困ります。先にサービスごとの説明ページと、初めての方向けの案内を用意すれば、ブログ記事から自然につなげられます。
最初に決めるのは一番大切な行動
自社サイトの目的を「アクセスを集める」だけにすると、何を改善すべきか分かりにくくなります。飲食店なら予約、教室なら体験申込、事業者向けサービスなら相談や見積もり依頼など、具体的な行動を決めましょう。
ただし商品やサービスが複数あっても構いません。例えば店舗利用者には予約、遠方の利用者には通販、採用希望者には求人ページというように、主な利用者の違いで導線を分けます。すべての人に同じボタンを押してもらう必要はありません。 誰が何をしに来たかを基準にします。
紙一枚で始める五つのページ
まずはA4の紙か付箋を用意し、ページ名を並べてみてください。XMindのようなマインドマップ作成ツールを使ってもよいですが、特定のソフトを購入する必要はありません。
| ページ | 役割 | 入れる情報 |
|---|---|---|
| TOP | 全体の入口 | 誰向けか、何ができるか、主要リンク |
| サービス | 内容を理解する | 対象、特徴、提供範囲、流れ |
| 料金・条件 | 利用を判断する | 税込料金、追加費用、所要時間など |
| アクセス・運営者 | 安心して利用する | 所在地、営業時間、運営者の実情報 |
| 予約・問い合わせ | 次の行動 | 申込方法、必要事項、返信の目安 |
飲食店であれば料金・条件の代わりにメニューや席の利用条件、訪問型事業なら対応エリアや出張条件が必要かもしれません。これは決まったテンプレートではなく、お客様が判断するために必要な情報を漏らさないための下書きです。実際にないメニューや未確認の料金を入れる必要はありません。
各ページの役割を重複させない方法
設計図を作るときは「TOPで全部説明する」「ブログで全メニューを紹介する」といった重複が起きがちです。例えばTOPではカラーのサービスがあることを知らせ、カラー専用ページでは対象・相談の流れ・注意点・料金を説明し、ブログでは「初めてのカラーで迷いやすいこと」へ詳しく答える、と分けてみます。
どのページが主な答えを持つか決めると、似たキーワードの記事ばかり増えずに済みます。同じキーワードでも検索目的が違うことを整理した記事も参考になります。
内部リンクは読者が歩く道として描く
内部リンクとは、自分のサイトの中で別のページへ移動できるリンクです。例えばブログで「予約前に知りたいこと」を説明したら、最後に実際の料金や予約ページへ案内します。TOPへ戻すだけでなく、次に必要な情報があるページへ直接つなぐ方が分かりやすくなります。
またGoogleは、サイト内のリンクから内容を発見しやすいことをSEOの基本として説明しています。階層が深すぎて誰もたどれないページを作らないようにしましょう。リンクの言葉も「こちら」だけではなく、「料金と施術時間を見る」など行き先が分かる表現を優先すると親切です。
キーワードは実際の質問と組み合わせて調べる
設計図ができたら各ページにどんな疑問へ答えるかを追加します。美容室なら「初めてのカラー相談」「子連れ利用の条件」「アクセス」など、実際に来店前に聞かれることを材料にします。検索キーワードの回数だけで優先度を決めず、問い合わせにつながる重要性も考えます。
Search Consoleでは、すでに公開しているページがどんな検索語で表示されるか確認できます。これから作るページなら、店頭の質問を記録してテーマを整理し、競合ページを見て不足している説明を確かめます。お客様の悩みを調べる方法も併せてご覧ください。
AIに下書きを手伝ってもらう場合の注意

AIでページ構成の案を作ることもできます。しかし「久留米市の人気店」「口コミで高評価」「この施術で必ず改善」など、実際に確認していない事実が文章に混じる場合があります。価格、所在地、資格、実績、サービスの効果は運営者が確認してから掲載しましょう。
Googleが公開する有用なコンテンツのガイドでは、独自の経験や信頼できる根拠があること、訪問者の疑問に十分答えることが重視されています。またAI検索にだけ必要な特別な最適化はないとされています。自社しか知らない事実を正確に書くことが、形だけの大量記事との差につながります。
公開前に設計図を点検する
- TOPから主要サービスのページまで迷わず移動できるか確かめる。
- 各サービスの対象、条件、費用、連絡方法に抜けがないか確認する。
- スマートフォンでメニュー、ボタン、画像の見え方を確かめる。
- 問い合わせフォームを自分で試し、送信先と返信の案内を確認する。
- 同じ疑問を重複して答える記事がないか、ページ一覧を見直す。
最初から完璧な設計図は必要ありません。小さく作って、実際に質問されたことを追加していけばよいのです。重要なのは、色やデザインを決める前に「誰のためのサイトか」を言葉にすること。TOPページの構成例と合わせて考えてみてください。
自社運用と外注をうまく分ける
インハウス化は、すべての技術作業を自社で抱え込むことではありません。料金変更、メニュー説明、写真の許諾、日々のお客様の質問などは現場で判断しやすい仕事です。一方、サーバー保守、複雑なフォーム、サイト移転、セキュリティ対応は必要に応じて専門家に任せる方法があります。
自社で情報を育てるほど、お客様へ伝えたいことも明確になります。久留米市の小さな事業でページ構成や運用分担に迷っている方は、GLADNINEへのご相談もご利用ください。
参考にした情報
Google検索セントラル:SEOスターターガイド(ページ構成・内部リンク)/有用で信頼できるコンテンツ(内容の品質)/AI機能とウェブサイト(AI検索の基本)。